column - 🔗親子・夫婦で始める英会話 - 野澤祐二さま　（東京都 千代田区） -

『オフィスで 海外からの来訪者の方と、英語で商談をする際は、話しが円滑に進行します。　外国人であっても、お互いが 長く同業界にいることもあり、コンテクストを共有しているため、スキーマ処理が働きやすい。　そのため、相手の話の展開を、推測しながら、英語を聞き取るトップダウン方式のリスニングで 確実に聞き取ることができます。　また 遮音性が高く、静かな会議室では、必要な音声情報を一時的に記憶し、処理する ワーキング・メモリの容量（認知資源）が、有効活用できるため、長時間の会話でも、集中力が途切れることがありません。　ただ、ランチタイムなど、英語で雑談を交わす時や、オフの日に 都内の観光のアテンドをする際には、話が唐突に始まり、トピック自体が不明慮なまま 会話が始まったり、話題の背景知識や 知識が少ない話題では、内容が理解できないケースも生じます。　また ビジネス英語に比べ、カジュアルな単語や 学校で習わない　慣用句が頻繁に登場する インフォーマルな日常英会話では、英語で適切な返答が出来ず、頷くだけに留まることも よくあります。　日常英会話 の語彙や 音声聞き取りの 基本を学び、もっと親密さや、フレンドリーさ を伝えるための、英語発話スタイルを目指したい。』 と野澤さんは 言います。

これに対し 担当の講師は 『まず、ビジネス英会話では、意味の正確性や、文法的な複雑性を追求します。　一方、カジュアルな 内容の 日常英会話では、情報処理の高速化を意識し、素早く、大量に 言葉を処理する 流暢性を優先します。　そして、日常英会話で 流暢性が向上すると、ビジネス英会話の際に 言語操作に貢献する 正確性と 複雑性が 低下する、トレードオフの現象が生ずるのです。　ビジネスと、日常英会話では、頭のスイッチの切替が必要になる。　日常英会話では、単語や 構文をイメージとして捉え、潜在意識 で感覚的に 文法を操作する 認知文法を用います。』 と説明し、演習に入りました。

英会話 個人レッスンでは、講師が 5W1H の簡単な質問を 素早く投げかける。 そして 野澤さんは 12語以上 のセンテンス ３つに 自分の意見をまとめ 返答してもらう 演習を繰り返しました。

1) TOEIC 頻出の難しい一般動詞は用いず、Have - Get - Make など 多義基本動詞の 中心義をイメージで捉え、派生義との 意味的関連性を確認し 語彙内ネットワークを構築し 会話で多用する。

2) 一般動詞に 前置詞や副詞をカップリングする 句動詞を意識的に導入し、カジュアルな英会話 特有の軽快さの演出をする。

3) 文法上対等の関係にある等位接続詞（And - But) や、主節に説明を加える 従属接続詞 を用い センテンスをつないで長く話す。

これら３点に留意して 発話してもらいました。　このように 単語を グループ化（ネットワーキング）や １語でなく ２～３語をセット（チャンキング）にすることにより 発話の際 長期記憶から単語を検索しやすくなり 発話産出にかかる時間が短縮され、流暢性が 高まります。

『今までは 単語と単語を 文法でつなぎ合わせる形で 英語を話していましたが、文法負荷の増大もあり 長い文章を話すのが苦手でしたが、センテンスをシンプルにすることで、発話単語数は確実に増えています。　また シンプルな語彙を、コアイメージから想起する 認知文法で 単語をフレーミングする感覚を身に着けようと思います。　この方法を用いると、脳への負荷が軽減された分、発話の速度も上昇し、その余力を 発音や 抑揚の付け方に 回せる気がします。』 と語る 野澤さん。　試行錯誤の後の 気づきを得て 上達への道を進行中です。

Voice: - 🔗海外赴任後の英会話 - 飯田 祐子さま （東京都渋谷区） -

教育機関での実務経験があり、オーストラリアでの家族赴任から 帰国したばかりの 飯田さん。 長男の長期的な 英語教育を考え 自宅周辺の 英会話スクールを見学しました。 ただ 保護者として 共感できるカリキュラムに出会うことは難しいと感じていました。　『全国の小学校に外国語活動が導入され 早期英語教育への関心が高まる中、小学校に上がる前から 英語学習を始める 子どもたちが増えています。　しかし 第二言語学習の成果は 学習開始年令が 低ければ 低い程 獲得できるとは限らない。 それよりも 発達段階に適した有意味な学習が提供されているかの方が大切であると 思います。』と 言います。

『自宅から徒歩圏内の 子供向けの英会話教室を見学したのですが、外国人インストラクターが 子供たちに 英語で玩具の使い方を教えたり、ゲームに興じていました。　"おもちゃで遊びながら ネイティブの英語と触れ合えば、遊びを通して英語学習の楽しさを実感できるのです。" 　そして スタッフうの方からは "幼少期から 英語のシャワーを大量に浴びた子供たちは、自然と英語を話しだします。" との説明を受けました。』

『確かに 聴覚に関わる 側頭葉の発達期にある子供は 英語の音声知覚能力と音声産出能力の習得に優れている 時期にあると思います。　ただ 異なる言語がどれだけ似ているか、または違うかを測る基準となる 言語間距離が 日本語と 英語とでは大きく離れている。　そのため、母語（日本語）の知識を直観的に用いて、耳で聞いた音声を基に 調音法や 語並びの法則を 推測しながら 内在化させる 母語援用が 作用しない。　むしそ 英語母語話者と一緒にいる時間を増やしても 日本語による韻律的母語干渉の 頑強性により、せっかく覚えた発音法も 時間が経過するとすぐ カタカナでの代用が始まる。　これを回避するための 明示的な演習法の必要性を感じました。 そして 我が家の希望は 聴覚・発話情報のエンコーディングであったため、家庭教師 英会話を選択しました。』

□ 音声学・音韻論を基準にした 正しい発音法で 英語を学ぶ □

『先生の授業を拝見していると、英語の音声だけでなく 韻律的な側面 特に文強勢を重要視している点で、英単語の綴りと 発音を紐づける フォニックス学習法とは 異なるアプローチを採っていると思います。 発音学習の分野の中で 音声よりも重要と言われる 韻律（リズム）ですが、リズムの言語化が難しいこと。　また 母音の発話法よりも 母音の長短の 感覚を掴む方が日本人にとって難しいため、指導が後回しになりやすい 学習領域です。 演習では 母音を聞きやすさ（ソノリティ）の高い順に配列し、開母音の音から発話を始め、口唇の動きや 下あごの位置など 複数のポイントから 発音を調整していきます。 このように 聞き取りやすい音から 発音練習を始めると 子供も 誤聴することがなく、自信をもって発話できるため、"自分にはこの課題が達成できる" という自己効率感にも 繋がっていきます。 また 日本人が混同しやすい 長母音と 主音と副音が滑らかに 繋がる二重母音の 発音法を比較して その違いを子供にも分かりやすく説明しています。 先生は 日本人に母語干渉が生じやすい 音を 類似する音と 比較することにより、正しい音発話法を教えている。　発話は 音素、音節、単語と 連動するように進行するので、英語発音がカタカナ風に なる瞬間が訪れないのです。 英語の発音習得法も 音の最小単位である 音素まで還元して、整理して教えると 発音習得も包括的な 系統学習になるのだと 気づきました。』

Voice: 🔗海外留学も視野に入れた 中学生 英会話 - 村山 里奈 様 （中学１年生）　（東京都 文京区） -

『早期英語教育への関心は高く、小学校３年生から英語が必修化され、中学校の英語授業でも 正しい発音の習得など 音声力向上への強い期待がかかります。　ただ 中学生のリスニングに対する 苦手意識は 年を追うごとに 高くなっているようです。』

『英語コミュニケーション能力を伸ばすことが 中学校の英語授業での 大きな課題ですが、その音声指導法は ただひたすら聞かせたり、聞こえた通りに発声させる など 暗示的学習法が主流であり、新しい学習アプローチが 待ち望まれます。』と先生から話しを聞いた 里奈さんは 自分で リスニング学習法を編み出し、継続的な 英語聞き取り 学習を始めました。

□ 自分だけの学習法をデザインする □

『イギリス発の ポッドキャスト番組を使って リスニングの練習を始めました。　イングランドの伝統的な 容認発音は 子音の音が強くて聞きやすいですし、単語の最後の R の音が発音されない点も 真似して 英国発音もマスターしたいです。　聞き取り練習では、英語音声を１センテンス 聞いた後に 一時停止ボタンを押し 同じ文章を暗唱する リピーティング学習法を取り入れています。　この練習法を繰り返すと、音声をセンテンス単位で 覚えられるので 英作文や英会話で使える 構文の知識が 増える点がメリットです。　また 実際に声を出して 音声を真似ることによって 継続的に繋がって耳に入る英語の音を、音節という音のチャンク（塊）で区切る習慣が身に付き 英語の音声を解析する 音声知覚の自動化が進んでいる気がします。』 と語る　里奈さんは 学校で履修する 英語と、北米の英語の間に境界線を敷かず、３年後に参加を予定している カナダでの 短期 語学留学ツアーの際、役立つと思える 英語情報を 全て知識として 吸収する 知的好奇心 旺盛な女の子です。

英会話 個人レッスンの日は、海外から取り寄せた 英語ファッション雑誌の 記事から、構文が複雑で上手に訳せない箇所や、 広告タイトルに用いられる スラングの意味など 質問をたくさん用意して 先生の訪問を待ち望みます。

"中学校の英語の授業では、雑談的な日常英会話 に使える 単語はあまり習いませんが、アメリカのファッション雑誌は、口語体の文章が多く 感情表現など 日常で使える表現が多いので、メモを取り 英会話の実践で 応用しています。"と言います。

担当の先生は、『小学生の時に 英会話 を個人レッスンで習い始めた 里奈さんは 聴覚優位の認知特性を活かし、オーラル中心の進行を設定。　複数の音声情報を全体的に処理できる 同時処理の傾向も見られ 英語の強勢母音と 弱勢母音の仕組みも ほぼ同時に体得し、一般的な 小学生への発音指導範囲と比べ 細部まで精密な 英語発話のスタイルが完成しました。

また 中学校 進学の直前から、新学習指導要領 英語４技能５領域 - 「聞く」「話す（やり取り・発表）」「読む」「書く」を意識した 指導にスイッチし、論理的思考を伴う 英文法の解説も加えました。

中学校の英語授業の中でも 柔軟な応用力が問われる "話す - 発表" が一番好きという 里奈さんは バランス感の良い 英語操作能力を形成しています。』と評価します。

『洋書ペーパーバックを 辞書を使いながら 読んでいますが、英和辞典では 単語の根源的な意味や、類義語との違いが 掴みにくい時も あります。　早く先生のように 英英辞典を使いこなしたい。』と語る里奈さん - 中学校での英語の成績も もちろん優秀です。

Q. 長男が 駒沢大学にある プリスクール（キンダーガーテン）に通っていますが、英語を話すことがほとんどありません。 英会話中心の個人レッスンは可能でしょうか？　受講場所は 駒沢大学駅から徒歩６分の 駒沢２丁目で、駒沢小学校の近くです。

A. はい。　幼児向け英会話メニューに ロールプレイや ショー・アンド・テル の要素を取り入れ、自発的な発話機会を増やすことが可能です。