Voice - 🔗英会話講師の視点- 松山 えり先生

実践的な英会話の技量を習得するために、英語学習時間を増やし 自習に取り組む 熱心な 英語学習者の方が 多くいます。　皆さん それぞれ　創意工夫を凝らして 学習に取り組んでいますが、学習上のスランプに陥っている方も 少なくないようです。 　"英語と 英会話の 学習法と その成果の 違いは何か？" や、"２つの 学習の時間配分は 何を基準に定めたらよいのか？" という質問を、担当する 受講者さまから 頻繁に受けるという 松山先生。　『英語学習と、英会話学習の ２つの領域の 境界線を明確に定義した上で、２つの学習を並列で行い、ある時点で ２つを統合する 学習方略が 必要です。』と言います。

□ 知識を 瞬時に運用する力が 英会話 □

『英語学習とは、文を形成するための規則や、単語の内部構造と形式の仕組みを知り 英文法の知識を増やすことと、英単語の綴りと その和訳を 照合し、長期記憶に保持し、必要時に検索可能にする 符号化暗記を繰り返す 情報処理型の学習であり、左脳型学習を重ね 結晶性知能を構築します。 また 学習の際は "論理的で 遅い思考　= 顕在意識" を用います。　一方 英会話学習とは "英語音声の聴覚受容 ～ 何を話すかを決める 概念化 ～ 用いる 単語を選択する 形成 ～ 口唇での 発話" ；　この一連の発話産出プロセスに於いての 言語運用法で、直観や推測力を伴う 右脳型の 流動性知能です。　また 脳と感覚器官が どのように 連動・協働しているかを 注視し、改善することが 英会話学習の目的です。　英語学習により 入力した データを 直接 出力（発話）するのでなく、別の層にある ニューラル・ネットワークに 送れるように情報フォーマットを変換するのが、英会話学習です。』と言い、説明を続けます。

『英語学習で、単語と その和訳を セットにし、対連合学習で暗記した単語は 意味記憶であるため、英会話では そのまま使うことができない。　英会話の運用に必要な情報は、運動や 動作に関する記憶である、手続き記憶であるため、情報のフォーマットが異なるのです。　新規で獲得（インプット）した 単語を、アウトプット活動を通して、既知の単語群との つながりを強化し、語彙ネットワークに加えることによって、その単語は "活きた英語"=手続き記憶 に変換されるのです。　最近、英語の筆記試験は得意でも、英語を話すことは苦手である。" という方が、増えているようですが、恐らく この演習が不足しているものと 思われます。』

□ 脳の仕組みを 知ることから始める 英会話学習 □

『英会話は 情報を一時的に保ちながら操作する ワーキング・メモリ主体の "直観的で速い 思考モード" で操作します。　そのため、大脳にある暗記の 集積体（英語学習の成果知識）を会話にそのまま使用すると 情報処理に負荷がかかり 発話産出量が低下してしまう。　英会話の際 使用する認知的資源の容量には 限りがあるため、素早く 大量に情報を処理する 流暢性を優先し 容量の低下を制御する必要があります。 さらに 英会話の際は 構文や単語をイメージで捉え 感覚的に文法を操作する 認知文法を用います。　この場合 発話（スピーキング）による言語産出は 多くの過程で 潜在意識が用いられ 会話の間　思考は オートパイロット化（自動操縦）となり、自動操縦の割合を増やすことで 認知的資源を節約する方向に向かうのです。 この点で 校正や 推敲など 高度な技術を 顕在意識を通じて 用いることの出来る 英作文（ライティング）と 大きく異なります。　そして 英作文の時に 重要となる 複雑性と 正確性は、英会話の際優先される 流暢性と トレードオフの関係にある。　つまり スピード重視の 英会話で 流暢性を向上させると同時に、構文の複雑性や、意味の正確性を 追求することはできないのです。』

暗黙知にあたる情報と、複合的な課題が 多い 英会話学習では、パートナーとなる 担当講師が必要です。　"絶え間ない 修復" を実現する 英会話 個人レッスン。　生徒・講師の間で 常態的に情報がシェアされる フィードバック・ドリブンの進行は 英語操作能力を コアの部分から 活性化します。

Voice - 🔗海外赴任後の英会話 - 飯田 祐子さま （東京都渋谷区） -

都内の教育機関での 職務経験があり、南半球の英語圏の国での家族赴任同行期間を 終えて 日本に 帰国した 飯田さん。 長男のための 🔗児童英語教育に 興味津々ですが、日本の英語教育の特殊事情に違和感を感じることが多く、自分の理想の教育プログラムと出会うのは 難しいと考えていたそうです。

『新学習指導要領が発表され 小学校で英語教育が必修化が開始となり、子供たちは教科として 英語を習い始めました。　小学校 3、4年生のの目標は コミュニケーションを図る素地となる資質・能力の育成ですが、現場である教室での 学習のねらいや目標が正しく認識されているのかはには疑問が残ります。　子供たちは モデル音声を聞いて 英単語の意味理解はしても、カタカナ発音の影響を受けたまま 単語を発音してしまう。 さらに イラストを見て同じ単語を発音すると さらにカタカナの音に近づいてしまうという 報告が全国の小学校から寄せられています。　これは 子供たちの学習意欲が足りないのでなく、子音と母音を１セットで１拍と捉える 日本語特有の モーラ拍リズムの 頑強性によるものです。　指導者や 教育プログラム開発者は 日本語による母語干渉まで 考慮しないといけない。　英語嫌いの小学生が増えているのは 未成熟な 指導法に一因があるのではなく、音声を聞いた後 綴りを見て その単語の発音を想起する 音韻符号化など 明示的な演習が 本来は必要になるのだと思います。』

□ お遊び中心の 英語プログラムに効果は期待できるのか？ □

『自宅近辺の 英会話スクールを見学したのですが、知育玩具（パペット）を片手にした ネイティブ・インストラクターが 児童たちが 英語でゲームに興じていました。　"体全体を使いながら 子供たちが楽しく英語を習得できる玩具は、座学では期待できない学習効果をもたらします。" と伺いました。　また スタッフの方からは "幼少期に 英語のシャワーを 大量に浴びた 子供たちは、自然に英語を話すようになります。" と 説明がありました。 恐らく カナダなど 公用語が複数ある国で採用されている 外国語教育法である イマージョン教育 （immersion = 浸す）の成果を拡大解釈したのだと思います。 ただ ２言語間の類似度を示す 言語間距離の大きい 日本語と英語の間で、仏語・英語と 同様の 正の言語転移を 期待することは難しい。 　むしろ 日本語による 母語干渉の影響を軽減することを目的とした 明示的な指導法が必要であると思いました。　そして 聴覚・発話情報のエンコーディングの演習方法" が一番の課題と考え、家庭教師 英会話を選択しました。』

『先生の授業では、強音節にある 母音の音を最重要と捉え、音声と韻律を対等に捉えて 授業を進行する点が特徴的です。 特に 日本人の場合、韻律的側面を強調した 発話習得の重要性が唱えられていますが、文字化が難しい 韻律の仕組みの教示は 後回しにされていたので、私も参考にさせていただきました。 演習では 音節の中で二種類の母音を発声する二重母音から始まり 長母音との違いを子供にも分かりやすく説明しています。 そして 単母音へ移りながら 各母音の 発音時の口の形のつくり方や、音色の違いを提示 - 日本人に 使い分けが難しい英語の音を 常に比較によって 識別法のヒントを投げかけることで、韻律的母語干渉を回避しているのだと思います。 また 発声器官を使って発する子音では、無声子音から 子音クラスターへ移行しながら、英語音声の特徴である 強勢拍リズムを強調して 音の長短、高低、強弱が生じる仕組みまで 教えています。 英語音声教育も 音の最小単位まで 還元し、適切に配列したり 別の音素とセット化することにより、体系だった 系統学習になるのだと 認識しました。』

Voice:- 🔗海外留学も視野に入れた 中学生 英会話- 村山 里奈 様 （中学１年生）　（東京都 文京区） -

『最近 地域の 国際交流イベントに参加し 来日中の留学生と 英語で話す機会を得ました。 リスニングでは 音声知覚が 自動化されていることを実感できましたし、確実に相手の意図を聞き取ることが出来ました。 ただ 発話に関しては 語彙の不足により、自分の考えを 十分に伝えられず 悔しい気持ちが残りました。 中学校で 履修する 2,500の単語では 英会話では 足りないので、出題範囲の単語を 4,500程度とする 英検２級の勉強を開始し、合格を目指すことにしました。　中学生の英検２級取得率は 高くない事は承知していますが、先日 過去問題集を購入したばかりです。　英検では 級を問わず 語彙力がそのまま点数に直結しますから、まずは 単語の暗記から始めます。』　と語る 里奈さんは 中学校で履修する英語と、北米で実際に使われている英語の間に 境界線を敷くことなく、３年後に参加を予定している 海外短期　語学研修の際、役立つと思える英語情報は 全て 知識として吸収する 知的好奇心 旺盛な 女の子です。

英会話 個人レッスンの日は 愛読する ペンギンリーダーズの　洋書ペーパーバックの中で 翻訳できない部分や、 段落ごとの大意を理解しながら あらすじの流れを推測しながら 読む パラグラフ・リーディングの やり方など 質問をたくさん用意して 先生の来訪を待ち望みます。　『このシリーズの英語小説は 学習者の読解力に合わせ、語彙制限が施されているので、英語のインプット力を高めるための 多読にも挑戦しやすい点がメリットです。』と里奈さんは言います。

担当の先生は 『小学生の頃から 英会話を 個人レッスンで始めた 里奈さんは、当初　聴覚優位の認知特性を活かし 英語の正確な発音や、応答反応の瞬時性を高めるため オーラルでのやり取りを中心に授業を進行を設定。　唇・舌の形を意識した発話音声と、英語発音の基本となる 音声拍リズムによる 音節の 長短、高低、強弱など 発音の正確性を 追求しました。　その他、語尾の子音と 次の母音が 連結するリエゾンや、綴り上 存在する文字を発音しない 消音や弱化など 一般的には 小学生では難しい音声変化の 発音技術も 体得。　センテンス単位の 発音であれば インターナショナル・スクールの生徒と比較しても 遜色のない 発音力を形成しました。　そして 中学校進学の直前から 新学習指導要領 英語４技能と５領域に沿って "聞く、話す（やり取り、発表）、読む、書く" に対応。　里奈さんは 総合的な語学力が問われる "話す - 発表" が一番得意だそうで、バランス感のある 英語力を形成しています。』と評価します。

『今 英語の小説を 辞書を引きながら 多読していますが、英和辞典では 単語の深い意味や 類義語との違いが 掴めない場合も あります。　早く 先生みたいに　英英辞典を使いこなしたいです。』と語る 里奈さん - 中学校での英語の成績も もちろん優秀です。

Q.７才の長男にマンツーマン英会話を受けさせたいのですが、５才の妹の授業見学は可能でしょうか？　近いうちに妹にも 英語を習わせたいので。　自宅は 東久留米駅から徒歩８分の 新川町２丁目で 不動橋通りのマンションです。

A.はい。　ご家族の方の 英会話 個人レッスン 見学は自由ですし、一緒の部屋にいても問題ございません。