* この記事は MyPace English (MPE) の英会話講師向け 研修資料と 講師との対話の 一部を 抜粋・編集したものです。
ローコンテクスト言語圏で通じる 英語力を目指す
アメリカを含む西洋の国々でのコミュニケーションは ローコンテクストと呼ばれています。 ローコンテクストとは ドイツの社会学者フェルディナント・テンニースが提唱した概念で、言葉のやりとりが明快かつ曖昧さがない文化を指します。
ローコンテクストのコミュニケーションに於いては、お互いの 文化の共有性が低いことが前提となる。 そのため自分の意見の明瞭な言語化・発話が求められます。 また同時に、曖昧な表現や、間接的な言い回しは好まれず、直接的な表現により 話者同士の理解が高まるのです。
会話の際に前後関係の把握やカルチャーの理解は 相手に求められない。 文脈や事前の情報に頼らず、伝えるべきことをすべて言語化するというコミュニケーション方法に、違和感を感じる日本人の方は多いと思います。 前提として共有していると思っていた 情報の細部を、How, Why など オープンエンドの質問で問われる機会も多く、返答に時間がかかり 肝心の話しが進展しないことさえあります。
空気を読むことを得意とし、相手が 察することを期待するのが日本人。 私たちは、お互いの共通認識や知識、文化的背景などを前提として会話が進む ハイコンテクスト型のコミュニケーションを主流としています。 そして、この交流スタイルの違いは、日本人の英語学習にも大きな影響を与えていると思います。
英語と日本語の発話速度と伝達情報の量に注目する
英語で話す際は、細部まで言語化するため、使用する文字数が日本語に比べて多い。 単純に考えても 英語の方が早口であり、日本語では情報量を制限して話す話法が一般的であると、言う事が出来ると思います。
ここまでのことをヒントに、ローコンテクスト文化圏の人たちと 英語で会話をする際に 大切なことは 下記の3点であると思います。
1 一定の時間内で、日本語より 英語の方が伝えられる情報量が多い。 情報処理のスピードを上げるために、意識的に早口で英語を話す必要がある。
2 文脈に依存しない、(大人が子供に説明するように)語彙密度の高い 説明スタイルを 確立する。
3 抽象的表現と具象的表現を 意識して置き換える練習を取り入れる。
ヒント: 句動詞の多義性を抽象性として捉えることもできるが、英語的発想から生まれた句動詞は 抽象的な意味でも、英語圏の人に伝わりやすい。
関連する項目
アンラーニング(学習棄却) (Unlearning)
意味記憶 (Semantic Memory)
エピソード記憶 (Episodic Memory)
ハイコンテクスト (High-Context Culture)
メンタルレキシコン (Mental Lexicon)
継時処理 (Sequential Processing)