アンラーニング(学習棄却) の概念を受け入れる - TOP


この記事は MyPace English (MPE) の英会話講師向け 研修資料と 講師との対話の 一部を 抜粋・編集したものです。


アンラーニング(学習棄却) の概念を受け入れる


MyPace English で、英会話講師として お仕事を開始する前に、まず 学ぶべきことは、アンラーニング(学習棄却) であると、説明しています。
アンラーニング (Unlearning) とは、これまで習得してきた 知識やスキル、そして、常識や価値観を見直しながら、現状に合ったものを取捨選択し、自ら気づき上げた 新たな ガイドラインや 仮説を基盤に、新しい情報を取り入れ、積み上げて行くという学習法です。


通常講師の方は、自分の過去に学んできた知識や、獲得したスキルを 活かそうとしますが、"それを一度忘れてください。" "学校の英語の授業で習った セオリーを使わずに、ゼロベースで考えましょう。" と言うと、困惑する講師も います。
確かに 講師経験 10年の方に、10年分の仕事の記憶を 一度 横に置いて、新たにゼロから 学びましょうというのは、理不尽なことと 捉えられても仕方ない。 しかし、過去に学習してきた 情報が足かせになることを、私たちは まず 学ぶ必要があるのです。


私たち 英会話講師がまず 初めに アンラーニングすべきことは、統語論・形態論を主軸に学んだ 学校の英語知識です。 そして 語用論中心の "相手に伝えることを 第一の目的とする" 英会話教授法を 新たに作り出すことが 私たちの 仕事なのです。
教育業界以外では、時代遅れになった知識やノウハウを、企業が 自主的に放棄(アンラーニング)する活動が盛んに行われています。 ダブルループ 学習では、まず 行動に伴う "前提" を 意図的にアンラーニングする。 次に 行動し、その結果から新たに学び、前提を問い直す、ダブルループ学習は 問題解決のための思考ツールとして、多くの会社で採用されています。


一方 英語教育業界は、旧態依然のままで、未だに TOEIC のスコアを KPI(Key Performance Indicator)として用い、英語操作能力を評価しようとしている。 TOEIC のような 系統学習に依存した 学科は、講師にとって 教えるのは楽ですが、その授業を受けた生徒さんは、"TOEIC では 高得点を獲得したが、実際の英会話は苦手である" という 新たな壁に直面する。 その課題の一つは、受容語彙と 発信語彙の差にあると、気付いていながら、意味記憶を 手続き記憶に変えるノウハウを 講師もスクールも、持ち合わせていないのです。


意味記憶という 結晶性知能を用いて、流動性知能を駆使する 英会話の分野 で成果を出そうとする TOEIC 学習のアプローチに矛盾を感じた MPE では、TOEIC を アンラーニングして、ビジネス英会話の 個人レッスンを プログラミングしています。
学校の英語は 一般教養を測る モノサシであるから、実用的な英会話を教えるために 敢えて 学習棄却するように 心がけましょう。


まとめ

- 新しいものを視点を手に入れるために、古い価値観を手放さなくてはならないという アンラーニングのコンセプトを覚えましょう。

- 学習棄却を取り入れ、自分の限界を再定義し、自分の盲点がどこにあるかを 確認しましょう。

- 古い情報を手放すことが、英会話学習の分野で多いのは、英語学習の延長で 英会話が定義されてきた。 そして 第一言語習得の延長で 第二言語習得法が 進化してきたことと 関係しています。


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