* この記事は MyPace English (MPE) の英会話講師向け 研修資料と 講師との対話の 一部を 抜粋・編集したものです。
日本語の開音節の仕組みを知る
英語の発音法の習得や、リスニング技能の向上を 目指す方は まず、日本語の韻律的特徴を 理解する必要があります。
英語と日本語の韻律(リズム)を比較する際、日本語は音節が母音で終わる 開音節言語 (CV)であり、英語は 子音で音節が終わる 閉音節言語 (CVC)であるということに 意図的な着目が 必要です。 なぜなら、日本人のほとんどが この音節構造の 根本的な違いを意識していないため、意図的に 開音節と閉音節を 使い分ける必要があるのです。
まず、日本語の音節が 母音で終わる 開音節であるかというと: 例) 英語の "Swim" を、日本人は、SU-I-MU (3音節、全ての音節が母音で終わる)と発音します。
これに対し 英語では、"Swim" は、子音で終わる 閉音節であり、1単語で、1音節と数えます。
このように、日本人は、英語に 余分な母音を足して、閉音節を 開音節化してしまい、この習慣から 容易には 抜け出させない。 言葉のリズムは 生理的であり、頑強であるため、英語のリズムに スイッチ切替が、できないのです。
ここまでが、理解できれば、日本人が 英単語の音節数を 正確に聞き取れないこと、正確に数えられないことが、音声英語を苦手とする理由であることが 分かります。
そして、日本語は開音節 (CV) が9割を占め、閉音節(CVC)は 1割。 そして 日本語の閉音節は 英語にない 促音などの、特殊モーラによって成立している。 ことが理解できれば、自分の発音を、音素、音節など 単語より小さな単位 見直す、ボトムアップ方式の 改善法が 可能になるのです。
まとめ
- それぞれの音節が同じ時間の長さで発話される 日本語の モーラ拍リズムは、開音節が 主体の韻律です。
- 日本語では音節を 平坦に並べる傾向が強いため、閉音節を開音節に変換して、英語を話す 習慣があります。
- 開音節で話す習慣を意識的に直さないと、"強勢音節はとりわけ強く、無強勢音節はとりわけ弱く発音される 英語の音が発音できない、聞き取れない" の状態から 脱出が難しい。
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