弱母音 - TOP


この記事は MyPace English (MPE) の英会話講師向け 研修資料と 講師との対話の 一部を 抜粋・編集したものです。


弱母音の発音が 英語の韻律を支える


英語の母音には 強母音と、弱母音 = (schwa / シュワー)の2種類の音があり、強母音は強いアクセントを受ける音節に現れ、弱音節は弱音節にのみ現れる という説明を受けた 英語学習者の方は、多分 頷くだけで、この一文から 新しい情報を得たとは、考えないでしょう。

しかし、弱母音 の発音が正しくできるか? と問われて、イエスと答える人は 少ないでしょうし、弱母音の発音ができないことが 日本人特有の カタカナ英語の発音になってしまう 大きな原因 と言われても、ピンとこない 人も多いでしょう。
弱母音は 弱く発音すると同時に、発音時間の長さは 強母音の半分程度です。 そして 強母音のある 音節と、弱母音のある音節が、連なり、強弱と、長短による 韻律が生まれ、英語の強勢拍リズムが成立するのです。

その一方、日本人の話す英語の発音は、共通して 弱母音を長く発音し、子音の音を 弱く発音して、カタカナ風の英語発音に 無意識のうちに近づけてしまうのです。 英和辞典の発音記号を 眺めると すぐ分かる事ですが、英語は母音より、子音の方が多く用いれます。 そして、母音の中で 一番多く使われているのは、弱母音なのです。

さらに、日本人は 英語のリスニング学習で、弱母音を真ん中に置く、前置詞や 代名詞などの 機能語を 聞き取りに困難を感じるのです。 そして、弱母音を伴う 弱音節は、近くにある異なる音が 影響を受けて違う音に変化する 同化や、単語と単語が連結する リエゾンなどの音声変化が生じやすい。 そして、英語の音と綴りの間に ギャップができるため、綴りと音を同定出来ない箇所が、弱音節を伴う音節に 頻繁に登場するのです。
弱音節に対する 具体的な 聞き取り対策、発音対策を 考えずに、英語のナレーションを聞いても、その学習時間は 有効ではない - それほど 弱母音は 音声英語の中で 重要な働きをしているのです。


まとめ

- まず、日本人は 英語を聞いても、聴覚で 弱母音の存在に 気づけない点が、課題と言えます。

- 日本語に類似する音が無い上、学校で 明確な発音法を教えない 弱母音は、日本人の英語学習の ブラインドスポットになっている点を 自覚しましょう。

- 弱母音の音節は弱く、短い。 そして 、強母音から成る音節と、弱母音から成る音節が入り混じって 英語の強勢拍リズムが 生まれる。


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母音 (Vowels)
子音 (Consonant)
半母音 (semivowels)
弱母音 (weak vowels)
音韻符号化 (Phonetic Coding)
開音節 (Open Syllable)
閉音節 (Closed Syllable)