発音記号 - TOP


この記事は MyPace English (MPE) の英会話講師向け 研修資料と 講師との対話の 一部を 抜粋・編集したものです。


英語の発音記号を読む習慣をつける


私たち 日本人は、学校の英語の授業で、教科書や 英和辞典に 記されている 発音記号を、見てはいますが、その重要性に気付き、発音記号を解読しようと 考える 学習者の方は ごく少数です。 学校では 英語の発音記号の読み方をほとんど教えませんし、生徒も何となく "読める気" になっているというのが実情でしょう。


授業の英語は、筆記試験が中心であり、"読む"、"書く" が中心であるため、発音記号より 単語の綴りの暗記が優先されていました。 ただ、視覚は用いず、聴覚受容を主体に "聞く" "話す" を繰り返す 英会話では、英単語の綴りが分からなくても、英語は伝わりますが、発音記号と異なる 発音では、英語は通じないのです。
さらに、日本人の場合、綴り文字を想起し、英語の発音に ローマ字の規則を適用して 発音する 母語干渉という 負の作用の影響が大きいため、視覚からインプットする 綴りに依存せず、聴覚からインプットする 音声をたよりに、音声知覚する リスニング力が必要になります。


英語の発音は、綴りよりも 音声・韻律のルールが 優先される ため、英会話では むしろ アルファベットよりも 発音記号の方が 重要なのです。 まず、英単語を見て、発音記号に 符号化してみましょう。

(符号化: 情報を一定のルールに基づいて数字や記号などのデータに変換して記録することを表します。)

そして、視覚提示された英単語の音を発音(音韻処理)して、その発音が正しいかを、発音記号で確認してみましょう。


このように 発音記号を読む機会を増やし、視覚から発音記号を見て、聴覚で英語を聞いて、口唇の微細運動で 同じ音を出せた段階で、視聴覚情報が 統合的に知覚できるようになる。 そして、聞いた音声は、潜在意識により 自動的な 音声知覚が始まり、リーディングと、リスニングの 2つのインプット能力が 同等になるのです。


上記が、音声学面から見た、発音記号から リスニング力を養う 基本的なメソッドです。 確かに、英語の発音と、リスニングは、発音記号が読める人の方が、読めない人と比べて、正確性が高いと言えます。 しかし、音声の流れの中で、音の強弱や長短が規則的に繰り返される現象 (🔗 強勢拍リズム)を聴覚で理解するためには、リスニング・発音に関しては、音声学だけでなく、音韻論的側面を強調した 学習法が必要となります。


日本語のような 音節拍リズムの言語であれば、音声学を学ぶことによって、リスニング上の課題の多くは 解決にむかいますが、英語の場合、さらに "リズム対応" の能力が求められるのです。


まとめ

- 音声学を履修していない 学校の英語教員は 発音指導法を知りません。 発音記号を調べる習慣を 自分で作りましょう。

- 日本語の辞書に発音記号がありませんが、英語の辞書には 発音記号が記されている。 この違いについて 説明できるようにしましょう。

- 英語の発音記号の 記号数は 40以上ありますが、実際に使用する記号は 20個以下です。


関連する項目

英語の強弱、日本語の高低 (Stress- and syllable-timed Languages)
音節 (syllable)
音素 (phoneme)
発音記号 (phonetic symbol)
母音 (Vowels)
子音 (Consonant)
半母音 (semivowels)


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